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PENTAX K-1改で撮った最後の写真。最後の最後に天の川を撮っていた。

長らく使用していたPENTAXのカメラ・レンズを全て手放した。
K-1もDFA50もDFA85もlimitedレンズも何もかも。

私が初めて買った一眼レフカメラがK100DSで、そこからK-7・K-5・K-3と来て、フルサイズ一眼のK-1と買い替えてきた。K-1に関しては2回も購入している。(2回購入した理由はプロフィール参照
K-1はアップグレードサービスを利用してK-1Ⅱ相当に改造までしていた。

手放した理由は色々あるのだが、決してPENTAXが嫌いになったとか、嫌になったとかではない。
むしろPENTAXのカメラに愛着を持っていたし、PENTAXの絵作りは未だに好きである。
ずっと使い続けるんだろうなぁって漠然と思っていたぐらいだった。

では、なぜ手放したのか…

私はPENTAXのカメラを長らく使っていたのだが、2019年頃にSONYのミラーレスカメラを買い足した。
PENTAXとSONYのカメラを使い比べたことがある人なら分かると思うのだが、性能が月と鼈レベルで違うのだ。
それでもSONYの操作系や絵作り、とくに色乗りの悪さに最初は慣れず、やっぱり「PENTAXが一番だなぁ」なんて思っていた。しかし、人間というのは慣れる生き物である。私は次第にSONYの操作系や色使い、現像方法にも慣れてきた。そうなると性能が圧倒的なのでPENTAXよりもSONYを持ち出す機会が段々と増えていった。

転機は今年の夏の北海道旅行だった。
それまでも旅行の時に持って行くカメラはいつも悩んでいた。
重いけどじっくり撮れるPENTAXか、軽く性能抜群のSONYか…この2択どちらを持って行くべきかを悩むのだ。
いつもは悩んだら両方持っていっていた。
なんだかんだいってPENTAXで撮る安心感が私の中にあったため、SONYよりもPENTAXという固定観念もあった。

しかし北海道旅行ではヨンニッパを持って行きたいという思いがあったため、荷物を制限する必要がでてきた。
そこでPENTAXのカメラは一切持っていかず、SONYだけで撮影旅行に出掛けたのだ。
そして旅行期間中はPENTAXの機材一式を知人のYoutuberに全て貸出した。

結果、この北海道旅行がなかなかに快適な旅になった。
なにが快適だったのか。それはSONYのカメラの軽さだったり、性能だったりしたのかもしれないが、とにかくPENTAXのカメラがなくても一切の不便がなかった。
旅行から戻っても、先述した様に知人に貸していた為、PENTAXの機材がない期間が続いた。
約3ヶ月ほど貸し出していた。

そして実際に長期間手放すことで、私の中に「あれ?別にPENTAXの機材なくても全く不便ないじゃん」という思いが強まった。つまり、愛着が薄らいだのだ。

3ヶ月後、PENTAXの機材が帰ってきた時に、その重さに驚いた。もともと重いカメラなのは承知の上で扱っていたのだが、長期間触っていなかった為、さらに重く感じてしまった。
「こんな重いカメラで写真撮る気になれない」と思ってしまった。
こうなるともう手放すしかなくなった。

本当はPENTAXのロードマップにある大口径広角単焦点が出るまでは使い続けるという強い思いも、ずーーっと持っていた。
DFA70200もDFA150450もDFA50もDFA85もDFA21も持っていたし使ってきた。
星を撮るのが好きな為、いつか出る広角単焦点のスターレンズで星を撮りたいと思っていた。

しかし、一向に出る気配がない。
それどころか、ロードマップにないレンズがどんどん出てくる。
これまでのPENTAXの変遷を知っていれば、レンズが出るだけでも素晴らしい事だというのは理解できる。もちろん応援もしている。
だが、もう待てない。
だから、私はPENTAXの機材を手放した。


最後に撮ったのは夏に撮った天の川の写真だった。
たしか蛍を撮りにいった後、星が綺麗だったので撮った一枚だ。
私が写真にハマったきっかけは星の写真だった。
ネットで見つけた田んぼの中に昇る天の川の写真。
それを見た時に、「自分もこんな写真が撮ってみたい」と思った。
そこからあれこれ調べているうちに写真にのめり込んでいった。
最後に撮ったのが星の写真というのは少し感慨深い。
別に狙って撮ったわけでもなく、たまたま星の写真が最後になった。

私はカメラやレンズを買うとき中古で購入することも多いが、PENTAXの機材を購入するときは必ず新品購入してきた。
お布施という気持ちでそうしてきたのだが、PENTAXのカメラ事業の現状は正直厳しいと思っている。
だからこそPENTAXには本当に頑張ってもらいたい。

将来、DFA☆の広角単焦点が発売され、K-1の後継機も出た時、私は戻ってくるかもしれない。
それまでPENTAXには生き残っていてもらいたい。
そのいつかを夢見て、いっときのさよならだ。